第一週、二週を終えて今季の第一印象は深夜アニメが子供っぽくなった。
児ポ法を警戒してずいぶんエロ要素が少なくなったが、同時に子供向けアニメが増えてしまった。
これでは深夜に放送されながら、アニメは若者や大人が見るものでなくなってしまう。
規制に反対しているのはどちらかというと革新政党だ。
これが次の国政選挙から若者の投票行動に影響を与えるか見物である。
ただし性教育アニメ「12歳。」のように19時半から始まるアニメで12歳同士のキスシーンが堂々と放映されている。
またソフト・ショタホモ系アニメが2本放映されている。「SUPER LOVERS」と「少年メイド」だ。とくに前者はキスシーンがあった。「少年メイド」の方がはるかに健全だ。これらは児ポ法の抜け穴になっているのだろうか。
東北アニメ「くまみこ」や「ふらいんぐうぃっち」など田舎ファンタジーが多くなったのは嬉しい。「くまみこ」はロコドル成分も加わり文句なく楽しい。「ふらいんぐ~」は一昔前なら「魔女の宅急便」のように外国が舞台になった。日本が舞台になるのは、「のんのんびより」のような田舎コメディが成功した影響だろう。都会っ子には田舎自体がファンタジーなのである。東北地方の聖地巡礼も必ずブームになるだろう。
今季の日常枠と思っていた「はいふり」(キャラデ原案が「のんのんびより」のあっと担当)の正しい名称が、実は「艦これ」のような艦隊枠の「ハイスクール・フリート」だったとは驚かされた。今季の最大のサプライズだった。
異世界テンプレもの(RPGの良くあるパターンに沿っているアニメ)は、もともと面白くなかったが、ますます面白くなくなった。
異色異世界系の「Re:ゼロから始める異世界生活」がテンプレ部分をどこまで破れるかだ。初めの段階では導入部が難しいRPGみたいなもので、一向に最初のセーブポイントから進まない。
もっとも期待されるのは、唯一の一般小説のアニメ化作品である「ジョーカー・ゲーム」。太平洋戦争時のスパイのお話。スパイは、軍人とは違って「死んで屍拾うもの無し」の伝統が残っている部署だ。「小説陸軍中野学校」のようなものだ。
京アニのテレビアニメはお休み。今年は映画に力を入れるようだ。まずゴールデンウィークに「劇場版・響け!ユーフォニアム」が上映される。これはテレビで放映された第一部の総集編だ。しかし音声部分は完全に再収録とのこと。また秋には聾唖者と健常者の恋愛を描いた問題作「聲の形」がいよいよ上映される予定だ。
PAワークスは岡村天斉監督を迎えてめずらしくロボットアニメ「クロムクロ」を放送する。当日遅い時間に放送されるノイタミナ+WIT STUDIOの「甲鉄城のカバネリ」に対抗するつもりなのかSF+侍+プロトカルチャーと盛りだくさんな内容だが、品質では負けていない。
創立15周年と言うことで、地元の富山県の観光案内アニメも兼ねている。北陸新幹線の完成で石川県と比べて出遅れている富山県に夏休みの聖地巡礼客を集めるつもりだろう。
ほかでは中堅声優勢揃いの「坂本ですが」、バイク国産4社+ドゥカティ相乗りの「ばくおん!!」、水島努監督のサスペンス「迷い家」、そして毎度のことながら「ジョジョの奇妙な冒険」第四部「ダイヤモンドは砕けない」に期待したい。