今秋のアニメは出来不出来がはっきりしていた。
ベスト3は次の通り。
1.のんのんびより
2.蒼い鋼のアルペジオ
3.WHITE ALBUM2
第一位と第二位は接戦だったが、1シーズンを通じた安定性で「のんのんびより」を選んだ。
これは、今どきめずらしいまったくエロがない健全な田舎コメディ。
舞台は過疎化した村の分校で小学生と中学生が合じクラスで一緒に授業を受けている。
生徒は中学生の卓、小鞠、夏美の三兄妹と小学一年生のれんげの四人だけだったが、そこへ東京から五年生の蛍が転校してくる。
ところが都会っ子の蛍にとっては小鞠や夏美にとって当たり前の田舎の風物がいつも衝撃的だ。w
一番の見所は、れんげの小学生離れした”間の良い”ツッコミ。
第二位の潜水艦アニメ「蒼い鋼のアルペジオ」を番組開始当初に推す声は多くなかった。
軍艦のインターフェースを女性として描くところが目新しかったが、いかんせん日本の3DCGということで色眼鏡で見ていた。
少数派だったアルペジオ・ファンの大部分は原作マンガを読んで、筋書きを知っていた連中だけだろう。
しかし原作を大きく逸脱してオリジナリティを発揮してからかなり面白くなった。
3DCGアニメと言うことで避けていた軍事オタクも噂を聞いて、どんどん視聴者も増えていったようだ。
最終話の一回前の回ではニコ生の支持率は「のんのんびより」を上回るほどだった。
第三位は三角関係のドロドロを描いた「WHITE ALBUM2」。
高校生のイケメン春希を学校一のアイドルと不良ピアニストが取り合うお話。
アイドルは中学時代のトラウマで実はヤンデレ気味、一方ピアニストはツンデレだが秘かに春希のことを愛している。
二人の間で態度を決めない男の方が情けないが、それを待つ女たちの切なさが伝わってきて、見ている側は胃が痛くなった。
健全な高校生に見せられるような話ではない。
アニメもようやく韓流ドラマに追いついたと言えよう。
これだけの作品が三位に終わったのは、作画が雑だったためだ。
ほかには定番の京アニ作品「境界の彼方」、PA.Works作品の「凪のあすから」、JC.Staff作品「リトルバスターズRefrain」が放送された。
「境界」「リトバスR」は脚本に工夫がなく、「凪」はキャラデザがイマイチだった。
それよりも夏から引き続き放送されている西尾維新原作「物語シリーズ・セカンドシーズン」が、相変わらずスタイリッシュな映像美を追求していて、異彩を放っていた。