前後編二回に分かれて放送されたので、一回にまとめてご報告。
正太郎の学園祭に珍しくやって来た櫻子さんは理科室へ潜り込み生物標本を物色している。
そこで生物の磯崎先生と再会し、早速亡くなった前任教師の標本の整理を依頼される。
猫などの動物標本がほとんどだったが、その中に遺品と誰かの遺骨があった。
警察沙汰になったが結局事件性はなく、遺品や標本類は学校に帰ってきた。しかしなぜか猫の標本だけはなかった。
遺族は、遠方なので学校側で処分してくれと言う。しかし正太郎は遺品や遺骨が気になり、櫻子さんに車で連れて行ってもらうことにする。
前任教師の遺族は脚の不自由な老姉一人だった。彼女は遺品を確かめるが、「赤ん坊の骨がない」と言い出す。夏子という手伝いの娘がいて弟と相思相愛だったが一緒になれず他人の子供を産むが処分して他所へ嫁に行き、数年後病気で死んだという。弟は夏子のことを不憫に思って夏子の遺品の大切にとっておいたのだ。
櫻子さんは「徳富芦花の寄生木」が遺品にあったのを思い出し、春光台にある徳富芦花寄生木縁の地の石碑へ急ぐ。近くに白樺が生えていてその根元を掘ると、オルゴールが出てきてその中から骨が。それを見て櫻子さんの顔色が変わる。
姉の許へ帰ってきた櫻子は赤ん坊の実の母親が姉自身だと言う。赤ん坊の足の指は母親の同じケルト型だったのだ。弟はそれを父のそれと同じものだと考えたので、二人は兄妹だと誤解したのだった。
翌日再び正太郎は櫻子を訪ねる。正太郎は櫻子に学校の卒業生であり、なくなった標本は櫻子の愛猫のもので櫻子が持ち出したと推理する。
櫻子はその通りと言い、前任教師佐々木が櫻子の恩師であること。猫が毒殺されたこと。彼に標本加工の手ほどきを受けたことを告白する。
しかし彼女の頭の中には寝たきりの小父が残した「くれぐれも無茶をするでない、それはお前の手に負えるものでない」という言葉が重く残っていた。
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今回は一応推理ものの体裁を取っていてしかも次回に謎を引きずる展開だったので満足。