うーん、痛恨の極みだ。データの読み込み不足だった。これは今季のダークホース筆頭だ。
少女漫画ベースのお話だと思っていたら、動画工房のオリジナルアニメだった、しかも少女漫画よりずっと古典的なラブ・ロマンスだった。
「月刊少女野崎くん」が演ずる「ローマの休日」。要するに、ボーイ・ミーツ・ガールの典型であり、身分違いの悲恋のはず。でも舞台は銀座の喫茶店で、よく見ると「ご注文はうさぎですか」なのだ。主題歌は「月刊少女野崎くん」同様オーイシマサヨシが歌う。
ヨーロッパの小国からやって来たテレサは日本の時代劇「レインボー将軍徳川虹宗」の猛烈なファンだが、聖地巡礼として江戸城址である皇居にやって来て友人とはぐれてしまう。そこを通りかかった高校生多田光良は「ほおっておけない」と実家である銀座の多田喫茶店に連れてくる。
そこにはマスターの祖父とニャンコピックと呼ばれる凶暴でブスな猫、そして看板娘である妹のゆいがいて、温かく出迎えてくれる。
そこへ遊びに来たのが写真部の悪友伊集院薫で、一目見るなりテレサにアタックをかけるが、ニャンコピックの激しいチェックにあってしまい、そのうちやっと見つけた友人のアレクサンドラ(アレクと略す)にまで排除されてしまう。
テレサとアレクは宮殿に帰るというが、地図を見ると喫茶店の隣のグランパレス・ホテルだった。
さらに翌日、光良と薫の教室に二人の留学生が転入して来る。それも、テレサとアレクだった。
出来過ぎの設定は良いとして、テレサとアレクのコンビは、見るからにお姫様とお付きの人だ。ただし二人の入れ替わりには注意しておかないといけない。お姫様と思った方が御付きということは推理小説ではよくあること。アレクの方が年上っぽかったが、年齢偽証してるのだろうか。
光良が報道カメラマン志望ということで、「ローマの休日」のグレゴリー・ペックと比べられる役だな。もっともグレゴリー・ペックは記者でありエディ・アルバートがカメラマンだったが。
いつの段階で身分を知ってしまうのか、知ってからどういう行動を光良は取るのか。
しかし結論はどっちにしろ最初から決まっている。二人は結ばれない、それが当ブログの予想だ。
でも何度でも「ローマの休日」を見て、見るたびに胸キュンとなれる人なら、きっと最後まで付いて来られるだろう。
作画陣は「月刊少女野崎くん」のスタッフを使っていて、主人公の声も当然ながら中村悠一が演じている。
その友人でピエロの役回りを演じてくれるのが、今季大活躍の宮野真守だ。宮野って野崎くんにも出ていたように感じるが、実は出てない。岡本信彦と中原麻衣の役柄が混同されていたようだ。でも宮野はこういう三枚目の役なら歓迎する。
ヒロインであるテレサは石見舞菜香(まなか)、「月がきれい」でヤリマのJKだったが、たった一年でここまで出世してきた。如何にもお姫様声優の感じがする。
御付きの者アレクは下地紫野が演じているが、手練れのものと感じた。薫との出会いが最悪だったため、かえって薫とうまくいきそうな気はする。
そしてお店の看板娘である妹ゆいの声を演じているのが水瀬いのりだ。彼女が一人いるおかげで、すっかり「ごちうさ」の雰囲気が出てくる。しかしゆいの髪型がこけしカット。「きんモザ」の大宮忍の成長した姿にも見える。
中村悠一は京アニ「KANON」のように悲しい目にあってこそ生きる声優である。
ニコ生では「月刊少女野崎くん」は比較的高視聴率だったはずだから、これもかなり高くなりそうだ。