秋アニメは大作がまずまずだったが、癒やし系がやや不振。
Fate/stay night -UBW- 1st
何と言ってもUFOTABLE制作のFate第2弾である。圧倒的な画力で押し切った第一弾「Fate/Zero」に続いてここでも画力勝負に出ている。
第二期「Fate/Stay Night UBW」は春から放送だが、8年前のスタジオディーン制作の「Fate/Stay Night」では主役がセーバーで悲しくも美しいエンディングを迎えた。
「・・・UBW」では凜に主役が変わったためセーバー自身にふりかかる悲劇を描くつもりのようだ。
UBWも実はスタジオディーンの手で一度映画化されているがUFOTABLEの画力の前には圧倒されるしかない。
四月は君の嘘
ノイタミナは美味しいところを持っていく。原作は1巻から予感があって読んでいた音楽漫画だ。主役の声は種田梨沙と花江夏樹である。
メトロノームと言われ正確無比な演奏で天才ピアニストとうたわれた公正は母を喪いピアノの音が聞こえなくなる。中学に上がっても無為な毎日を過ごしていた彼の前に現れたのが情熱をほとばしらせたバイオリニストかをり。彼女は公正を強引に日の当たる場所に連れ出す。最初は戸惑う公正だったが、やがて人々に喜ばせたり驚かせる演奏をしたいと思うようになる。
このクールからかをりのフラグは立ちっぱなしだが、実は年を明けて早々に涙の感動回が待っている。
三田誠弘作の小説「いちご同盟」のパクりっぽいところもあるが、原作者同志で話は通っているみたい。
2月の漫画最終回に合わせて3月に放送も終了する。
甘城ブリリアントパーク
通称甘ブリ、京アニの秋枠である。
「Free!」より「中二病でも恋がしたい」スタッフが中心になって制作していると思う。
実はこのシーズンは体調が悪くて京アニ枠を録画してなかった。
したがってそのアニメを認識したのは放送が終了した12月のことである。
二日で完走した。
さびれたテーマパークを高校生と妖精たちが再生する話だ。
ヒロイン役の加隈亜衣はいつも幼女キャラを演じていたため不安があったが、無難にこなしていた。
王女の小父にして血の気が多く主人公の対立するテーマパークのマスコット・モッフル役にも川澄綾子(セーバー)を配していた。はじめは合わないと思ったが次第に慣れてきた。
今期はようやく設定に慣れたという感じ。でも第二期を今年やらないとわからない点だらけだ。
SHIROBAKO
P.A.Works期待の大作がはじまった。
アニメ制作の現場で活躍する女の子5人組を描く「働く女の子」シリーズの一作で「花咲くいろは」に続く第2弾。
アニメの制作部門に配属された主人公あおいを通してアニメの制作過程を詳しく描いている。
制作は原画、動画、美術、3D、音楽、撮影、編集など各部門の仕事の進み具合を管理して最終的に一つのアニメとして完成させる役割を負っている。
圧巻はクリスマスの第12回、馬の走る原画を描ける原画マンを探して大監督庵野秀明にまでお願いに行くあおいだが、そこでかつて名作アニメ「アンデスチャッキー」(≒山ねずみロッキーチャック)を描いた幻の原画マンが実は身近ににいることがわかる。
アニメ史も追っていて、なかなかためになるアニメだ。
寄生獣 セイの格率
90年代を代表する名作漫画が実写映画化に合わせてアニメ化されている。2クール予定。
正直言って主人公とヒロインは原作と似ても似ていないキャラデザ、慣れるまで時間がかかった。
しかしパラサイトは原作に忠実、ミギーも平野綾が声をあてているが好評。
主人公+ミギーと田村玲子の対決をはさみ第二クールでは盛り上がりを見せている。
天体のメソッド
今季の大穴、多分癒やし系を求める層に受けたのだろう。
円盤を呼びだしてしまったために町が混乱したが、何もしてこない円盤に人々は日常を取り戻している。果たして円盤は何のためにやって来たのか。
他では続編である「PSYCHO-PASS サイコパス 2」「蟲師 続章 (後期)」が手堅い。
「繰繰れ! コックリさん」「大図書館の羊飼い」はもう少し頑張って欲しかった。
純粋少女漫画枠では「暁のヨナ」が放送された。斎藤千和が主演を演じている。大作なので時間を掛けて評価したい。
年末恒例のスペシャルアニメでは、定番の「江戸川コナン失踪事件~史上最悪の二日間~-名探偵コナン スペシャルアニメ-」とシャフト制作・新房監督の「憑物語(ツキモノガタリ)」(西尾維新原作)が面白かった。