冬場のアニメは不作だと思っていたが、今季に限れば秋季から2クール目を引き続いたP.A.WORKS制作オリジナルアニメ「SHIROBAKO」がダントツの成績を続けた。
アニメの制作者の目の回るほどの忙しさ、著作権者と原画の人間関係のこじれなど滅多の描かれないアニメの実情を描いて、年齢層のかなり高い視聴者たちや文化人に受けたようである。
個人的にはりーちゃんこと声優大和田仁美と対人恐怖症の役の演じた井澤詩織を推したい。
また今季から始まったA-1Pictures「アイドルマスター・シンデレラガールズ」は若者に絶対的支持を得た。
モバイルゲームで人気のアイドルメンバーから14人だけをセレクトして、まず小分けにしてユニットデビューさせる。
ユニットごとの群像劇のように見せて、最終回はアイドルグループ全体としての成長ぶりを描いている。
分割2クールなので夏から第二期が始まる。今まではプロデューサーがアイドルグループ全体を見てきたが、今後は社長らしき人物が口出ししてグループからの引き抜きを図り,一騒動が起きそうだ。非常に楽しみだ。
ちなみに私は「ニートなアイドル双葉杏」推しである。
さらに平凡なハーレム風サークルアニメだが、画質だけなら「冴えない彼女(ヒロイン)の育て方」が素晴らしかった。
男性ヲタク限定だが、女性の描き方は絶品である。
個人的には霞詩子のお姉さんブリが好み。
しかし澤村スペンサー英梨梨を演じた声優大西沙織が今年はブレークしそうだ。
話題のゲームからのアニメ化「艦これ」だったが、凄い女性声優陣を使いながら、あまりに人数が多くて脚本家が持てあましている感じ。同じゲームからのアニメ化である「シンデレラガールズ」との違いが際立ってしまった。
主演の吹雪型の上坂すみれは良くやっていた。
金剛役の東山奈央は英国産戦艦と言うことで、「きんいろモザイク」のカレンそっくりに演じていた。
それから「~ぽい」を流行語にしてしまった夕立役の谷邊由美も印象に残った。
ニコ生でもあまり支持されなかったが、なぜか二期決定だそうだから、次回作に期待しよう。
深夜の飯テロを狙って成功したのはシャフト制作の「幸腹グラフィティ」。正直言ってシャフトのごはんの絵は下手だと思う。でもおかずの部分で得点を稼いだか。
個人的には小松未可子が出ていたので完走してしまった。
石川雅之の連載マンガをアニメ化したProduction IG制作「純潔のマリア」。
百年戦争を舞台にした歴史ものに教会VS魔女を加えた筋書きだったが、なかなか面白かった。
英仏では残虐な表現の映画にするところを、日本ではこういうアニメによる表現方法もあるのだと感心した。
あとは、「銃皇無尽のファフニール」と「アブソリュートデュオ」は面白くないバトルものだし、絵柄が似ていて区別が付かない。
但し、「銃皇無尽のファフニール」にはなぜか神田沙也加がゲスト出演したため、目立ったな。
「聖剣使いの禁呪詠唱」は絵柄がハッキリ違ったので、区別は付くが、悠木碧、竹達彩奈を使いながら全く面白くなかった。
★
「夜のヤッターマン」はドロンジョの立場から見たヤッターマン。ヤッターマンが悪政をしいている設定だ。
タツノコプロが復活してたまに面白いことをやっているが、最終回になり真のヤッターマンが立ち上がって山本正之の旧主題歌が流れてきたときは涙が出た。
池袋のチーム抗争を描いた「デュラララ!!×2 承」も大作の中で期待外れに終わる。
分割三期だそうだが、途中で打ちきられるのではないか。
「ジョジョの奇妙な冒険第三部」は今さら取り立てて言うこともないが安定していた。6月に完結する。
ちなみにEDはインスト曲で誰かと思ったらパット・メセニーだったwさすが世界の荒木飛呂彦だ。
「ユリ熊嵐」はなぜか冬になると出てくるユリもの。知らないが女子高生たちの間でこういう遊びが流行っているようだ。
☆
なお連続2クール目だったが、前期と比べて非常に面白くなった少女漫画アニメが「暁のヨナ」である。
日本のような国の古代歴史物(貴種漂流譚)でありながら、中華風もしかしたら韓流の影響も受けている。
後半のオープニングテーマ(vistlip)とエンディング(志方あきこ)も素晴らしい。
しかし今季はついに四龍をすべて傘下に付けて、いざ革命かと思われるところで放送が終わった。
主演の斎藤千和の声が好きだったし、番組を見る癖がついたところだったので、非常に惜しい。
南総里見八犬伝の影響を多大に受けていると考えていたが、原作を読むと四龍以外にもヨナの人望で周辺に続々と人脈を形成するらしい。
但し、ここは放送局でなく白泉社アニメ枠だから他にもアニメ化希望マンガが続々登場してくる。
二期が始まるまで時間が相当にかかるだろう。しかし待つだけの値打ちはある。
というわけでなぜか活況だった冬アニメだが、その反動が春アニメにでなければ良いが。