Aパート:
全国大会前日、バスで移動し名古屋の宿に一泊する。寝付けない久美子は温かい飲み物を買いに行くが、そこに秀一もやってきて誕生日プレゼントを渡す。それはイタリアンホワイトの髪飾りだった。緑輝に聞いたという。(イタリアンホワイトを好きだといった理由は省略)そして秀一は麻美子が落ち込んでいるのではないかと尋ねる。それに対して久美子は心遣いを素直に感謝する。
翌日、葵がわざわざ名古屋まで全国大会を見に来る。大会直前には晴香が部長らしくみんなの前で挨拶して、晴れの本番を迎える。
そこでCM。
Bパート:
場面は一転して麗奈が外で空を仰いでいる。演奏シーンはすべてカットになった。3年生たちは重圧から解放されて伸び伸びしている。
そして結果発表のときが来た。まず各校の指導者一人一人が表彰される。そのとき生徒がかけ声を掛けるのが慣習だったが、北宇治はしばらく出場していなかったのですっかり忘れていた。しかし滝先生が表彰されたとき、麗奈だけが立ち上がって「先生好きです」と大声で叫んだ。麗奈は告白したつもりだったが、みんなは「マジファインプレー」と褒めた。そして各校の表彰に移る。北宇治高校の成績は・・・
今回の見せ場は、あすかの父からの言葉にあすかが喜ぶシーンと、アニオリだが麻美子と久美子の姉妹の会話である。関西大会以上の演奏シーンは不可能だから、全国大会の演奏は完全カットであったがこれは想定内である。
それは良いのだが、見せ場になるはずだった秀一との会話の持つ意味がアニメでは変わってしまった。姉に対する気遣いを感謝するという意味では久美子の秀一に対する好意を意味しているのだが、原作に比べるとはるかに物足りない。
それから作画が酷かった。今までの回に作画リソースを使い果たしたのだろう。仕方がないのだが、落差ははっきりしていた。
というわけで、今回は栄えある全国大会のはずが最終回前のタメ回になってしまった。前回までの貯金があるから文句は言えないが、ちょっと残念である。
最終回はおそらく3学期の話だ。中編集「北宇治高校の吹奏楽部日誌」に出て来る定期演奏会と、第3巻の卒業式直後のあすかとのエピローグ部分を描くだろう。やはり最後は演奏シーンを描かないとファンは許さないんじゃないか。今回のサブタイトル「さいごのコンサート」は3年生最後のコンサートの意味で、定期演奏会は2年生以下のみ参加だから構わない。
さらに短編集の新部長、副部長選出エピソードもあるかもしれない。しかし秀一のエピソードはもうないかも知れぬ。不憫な男だ。