次にキノが訪れる国は、評判の頗る悪い国だった。旅人を徹底的に無視したりするのだ。ゲテモノ好きのキノは敢えてその国を訪問することにした。
するとその国は歓待ムードで、評判と全く違った。宿を求めると、少女さくらがうちの宿屋にどうぞと誘ってくれる。泊まる部屋も立派だった。さくらが観光案内人をしてくれることになる。
広場では建国の演劇をやっていたが、キノが来たので最初からやり直してくれる。バーベキューをやっているとキノにエプロンを付けて焼かせてくれる。武器屋へ行きパースエイダーの修繕を依頼すると、タダでやってくれて、その上森の人までくれる。
そしてサクラは夕日の見える高台に連れて行ってくれた。そこでサクラは将来の夢を語る。
宿に戻って、両親はサクラにも旅にでることをすすめるが、サクラは跡を継ぎたいので断る。
翌日、出国する日だ。教会では結婚式が行われていた。若いカップルで二人ともまだ20歳にも満たない。木の種投げといわれる慣習があって、ブーケトスのように木のタネを拾うと幸せになるという。キノが拾うことができたのでサクラに与えた。
そこへ役人が来て三日経ったので出国してほしいという。さくらの両親は今晩野宿できる場所、今晩と明日の朝の食事を用意してくれた。キノはお世話になった方々に別れを告げ、満足して出発する。
しかしその夜、その国は大火砕流に飲み込まれる。キノは慌てて、夕食を開ける。そこには宿屋の女将さんの「遺言」が書いてあった。国の大人たちは1ヶ月も前から火砕流の来ることを予測していたのだ。次にサクラの作ってくれたという朝食を開けると、昨日拾った木のタネが入れてあった。
子役だった悠木碧は第1期の「キノの旅」で始めて声優に挑戦した。それが転機となり、専門声優への道を進む。
2巻の短編だが、オチが綺麗に決まった話だ。
次週は第1巻の短編「大人の国」。
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