矢二郎は祖母の薬のおかげで人間に化け続けることができるようになり、まず倉敷から四国へ向けて旅立つ。
天狗の赤玉先生が駄々をこねて、偽右衛門選挙の立会いを弟子の弁天様にやらせるという。弁天さまが跡継ぎという既成事実を作るつもりだ。狸は天狗社会のもめ事に巻き込まれるのを嫌がり、矢三郎が再度赤玉先生に会うが先生の意志は変わらない。仕方なく矢三郎は二代目に立会いを頼み、赤玉先生には断ったはずだった。ところが当日弁天様は現れ、遺恨のある二代目と鉢合わせになる。
果たして面白きことを起こすために狸が仕組んだことなのか。その面白きことが天狗大戦に発展するかも知れないから大変だ。
実は大正時代、弁天様がまだ人間だった頃、二代目と赤玉先生が彼女の取り合いをして天狗大戦を起こしたことがあった。その戦いに敗れ、二代目は英国へ逃げたのだ。だから男と女の問題でもある。
また夷川呉一郎も応援演説に出てきたが、いつまでも金閣銀閣ともども大人しくしているのはおかしい。何を企んでいるやら。