最終回は花火の気持ちに整理をつけるためだけの話だった。
鳴海の結婚を聞かされて彼を駅まで送っていった日、文化祭の準備をサボって麦と話した日、髪を切った早苗と和解した日、結婚式前の学校でのお祝い会で茜にブーケを直接渡された日。苦い思い出も安堵の思い出も青春の一ページだった。
今風にアレンジされていたが、このお話は花火の初恋物語であり決してクズの話ではなかった。だって、あの茜クソビッチ先生が改心するのだもの。
ただ、花火を主役に置いたことで話が希薄になったような気がする。途中まで花火と麦を対等に描きすぎたかもしれない。
茜と花火のダブル主役の方が面白くなっただろうし、茜の気持ちにウェイトを乗せて記述することで茜の気持ちの揺れを描写できて最後の回心がわかりやすいものになったろう。今のままでは、茜の気持ちが急転しすぎて納得いかない部分がある。
原作漫画でどう描かれているか知らないが普通に小説として描かれた方が、ざっと全体を書いて見直せるだけよかったと思う。(長ったらしいラノベはダメよ)
最近の成長が著しい安済知佳だが、ベテラン豊崎愛生に今回は跳ね返された所か。しかし原作でも茜の一人勝ちだというから誰が演じても変わらなかったのかも。