アニメ 鬼平

鬼平 第5話 谷中・いろは茶屋は大どんでん返し

投稿日:2017年2月7日 更新日:

鬼平」は人気のある「谷中・いろは茶屋」をアニメ化していた。松本幸四郎、丹波哲郎、萬屋錦之介、中村吉右衛門ともにこの短編をドラマ化している。アニメでは原作のラストを改変してコメディにしてしまったw。

木村忠吾は女郎屋の女お松に入れあげ、すっからかんになってしまった。
当時、墓火の秀五郎という盗賊が市中を荒らし回っていた。そこで珍しく文書係の忠吾も市中取締に私服で駆り出されていた。上野、谷中が担当だったが、いろは茶屋辺りを巡回していてつい魔が差してしまったのだ。
お松は店で人気のある女郎ではなかったが、自分の好みの男に対する場合とそうでない場合のサービスが全く違う。それ故ごく一部に熱狂的なファンがいた。その一人が川越の旦那という老人で、最近懐を心配している忠吾のことを気遣いポンと十両をお松にくれた。だから金の心配などしなくて良いとお松は忠吾に甘える。
役所では木村忠吾が最近めっきり男をあげたと評判である。鬼平にもその話は届き、粂八の調べで昼間から女郎屋通いが明らかになり、外回りから内勤に戻される。
川越の旦那が千手堂という数珠屋に入っていった。ここは盗人宿で、川越の旦那の正体は墓火の秀五郎だった。
忠吾は夜中にたまらず女郎屋へ出かけるが、怪しい者が千手堂に入るのを見て、向かいの寺から監視を行う。次々と盗人が集結するに至り、鬼平に報告する。

ここから盗賊を一網打尽にし忠吾に褒美をやるまでは大筋で原作通りだが、これからアニオリならではのどんでん返しがある。
忠吾の父親の今際の際の顔が何度かクローズアップされたが、不思議な演出だと思った。それが最後のオチに繋がったのだ。
しかし原作を読み直すと、これを示唆するような言葉があったw。本文から引用する。鬼平の肩を揉みながら忠吾が亡き父のことを思い出し涙するところだ。

「すみませぬ、父のことが、急に思い出されまして…」
「そうか…亡き両親を心にかけて忘れぬことがよい。どんな親でも、な…」

どんな親という言い方に引っかかった。鬼平自身の養母を指して言っているのか。それとも忠吾の身の上について忠吾より知っていたのか。もしや、脚本家もこれに引っかかって今回のネタを思いついたか。

このアニメで一つ気になったのは、秀五郎が死ぬシーンだ。まるでATG映画のようだったが、必要だったのか。演出、作画を見ると韓国人だった。

お松を声で演じたのは、鬼平ラジオでMCを務めている清水理沙だ。国立音大の声楽出だが、声優とナレーションを主な生業としている。このアニメではレギュラー(何でも屋)になって、役名がつくのは二度目である。色っぽく演じてもいけないし、人気女郎になってもいけない。そんな中、難しい役を無難にこなしたと言える。

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