キノが途方にくれてハンモックで休んでいると、巨大な円錐状のオブジェクトが森を切り裂いて近づいて来た。どうやら一つの国らしい。入国申請するとあっさり通った。珍しく5日から10日の日程で観光させてもらうことになった。担当者が一人で国内を案内してくれる。ホテルも立派で国民も幸せそうだ。
この国は大きな動力炉を持っているが、なかなか止められず国はキャタピラを動かし進む続ける必要がある。ただし後にキャタピラの跡を延々と残してしまう。そこが問題だ。
通り道の平原に巨大な国があった。ところが閉鎖的で通行許可が下りない。敵は武装して強硬手段に出る。しかし敵の攻撃にヘビーオブジェクトはビクともしない。そしてこちらも城壁をレーザーで焼き切り強行突破する。途中は人家を踏みつぶさないように畑の上を通ったが、作物をダメにされた農民は泣き叫んでいた。
実はキノはこの平原に横たわる国に入国しようとして「森の人」を交換条件に提示されて、断わっていた。閉鎖的で迷惑な国だったのだ。そこにやってきたもっと迷惑な他人の土地を蹂躙して進む国を利用して平原の国を突破したというわけだ。「迷惑な国には迷惑な国を」ということだ。
今回もひねりが効いていて実に良かった。