ベストアニメ

2015春アニメ総括

投稿日:2015年7月1日 更新日:

京アニが「氷菓」以来小説をもとにした作品「響け!ユーフォニアム」は今年のベスト3アニメに入る作品である。

いまや弱小高校となった北宇治高校吹奏楽部が京都府大会を勝ち抜き、次いで関西大会もややラッキーな面もあったが勝ち抜いて全国大会に出場するお話。主人公はユーフォニアムを吹いている。
アニメ第一期は厳格な新任顧問のもと初めはオーディションに対する不満、途中で受験のため退部する娘や部員同士の失恋もあったが、最後は部がひとつにまとまって京都府大会を勝ち抜く様子を描いている。

何事にも達観して冷めていた主人公が親友や顧問から刺激を受けて次第に演奏と青春に目覚めていく姿が鮮烈。

 

ユーフォニアム(ユーフォ)はチューバを小さくした金管楽器。
オーケストラで使われることはマーラーの「夜の歌」などで使われるぐらいで,一般にはブラスバンド用楽器であり、中低音グループに分けられる。
マイナーなのでこの番組で知った人も多いと思う。

なぜ「氷菓」は連続2クールにしたのに「響け!」は1クールにするのかわからなかった。
神作画の連続だから休憩が必要だったのか。

実際は京アニにはBLアニメ「Free!」の劇場版公開という大イベントがあった。BLは今やマンガ、アニメ界を君臨している一大勢力だから仕方がない。
「響け!~」第二巻の重要人物(鎧塚みぞれ)がちらりと映っているし、あすか先輩の闇の部分(第三巻)も描かれていたから伏線は出来ている。二期放送あるいは映画版は確定だと思うが一年間も待たされるのは苦しい。

さて青春熱血枠は一択だったが、今シーズンも癒やし枠は健在だった。
前作「きんいろモザイク」から二年、満を持した第2作「ハロー!きんいろモザイク」である。
制作は「咲-阿智賀編」「咲ー全国編」のStudio五組。
金髪にあこがれる高校生しのぶのもとへ、イングランドの金髪少女二人が留学してくる。
そこに日本人の友人二人・陽子と綾を交えて、まさにしのぶの高校生活は毎日が幸せ一杯である。
異文化交流のスパイスを若干加えて,笑顔の絶えない癒やしコメディに仕立てている。

 

中心になるのは金髪女子高生を演じている田中真奈美と東山奈央。
とくに東山は父親が帰国子女で英語で話す環境で育ったので、若干ブロークンだが早口英語が得意。
田中もシーズン2に至って、かなりブリティッシュ・イングリッシュのレッスンを積んだらしく、二人の早口は字幕を見なければ理解できない。

またシーズン2から二人レギュラーが増えた。一人は新任の久世橋先生演ずる大西沙織、もう一人は前季から出ていたが今季ブレークした穂の花役の諏訪彩花である。
この二人が彩りを添えてくれたおかげで、前季のように四コマ漫画的な散乱したつくりではなく、15分単位×2のまとまったドラマに仕上がった。
とくに第六話のBパート、久世橋先生の高校時代の回想シーンと、第十回「海べのやくそく」は秀逸な出来だった。

さて期待された「Fate Stay Night UBW」分割二期目だが、作画が素晴らしかったが、途中から史郎とアーチャーの議論が冗長になりかなり拍子抜けしてしまった。

やはりUBW(凜モード)は主人公史郎が自問自答している台詞劇だから誰が作っても後半地味になるのは仕方がない。
それでも最後のギルガメッシュと史郎の対戦部分は興奮した。
最終回「エピローグ」でFate /ZeroのウェイバーやFate /Kaleid Liner のルヴィアが出てきたのは良かったが、慎二を直すのならついでにイリヤを復活させて欲しかった。

「響け!」のインパクトと変わらないほどの衝撃を与えたのが、「グリザイアの迷宮」「グリザイアの楽園」だ。
原作は18禁ゲームの3部作で2011年に萌えゲームアワード金賞受賞。
前作「グリザイアの果実」を見ていなかったので慌てて全回を見たが、「リトルバスターズ」の二番煎じで対して印象に残らなかった。
ところが今作品はスナイパー雄二が生まれてから高校に通うようになるまでの「波乱の半生記」を前半で描き、後半では現代に戻り雄二とテロリストであるヒース・オスロの宿命の対決を描いていて、全く飽きさせるところがない。
前半に登場した五人の女子高生もおいしい役割を振られて全く過不足がない。
第二期になって完全に化けてしまった作品だった。「響け!」がなければ今季ナンバーワンだったかも知れない。
雄二を演ずる主演は櫻井孝宏だが、「響け!ユーフォニアム」の顧問滝先生に続く重要な役どころで、今季はやることなすことすべて当たっていた。

 

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」は大ヒットラノベのアニメ化だ。
ヒロインの女神ヘスティア(声:水瀬いのり)が胸のところを紐で結ぶ絵が好評でたちまち話題になった。

 

ストーリーは「ソードアートオンライン」のようなRPGものにギリシャ神話を載せてしまうと言う日本ならではの作品。
ヒーローに松岡禎丞を起用し、第二のヒロイン・アイズに大西沙織を起用したが、これがワンパターンで足かせになったのか、その後あまり伸びなかったが、原作のストックは残っているから第二期に期待したい。

「プラスティック・メモリーズ」は既視感のあるアニメだった。
昨年「一週間フレンズ」という雨宮天主演のアニメがあったが、あれの一ヶ月版という感じだ。
人工知能が発達し、ロボットが人間と協働する社会。
しかしそんなロボットにも寿命がある。
寿命が尽きたロボットを回収する会社に勤めたツカサはロボットのアイラと組むが、仕事はハプニングの連続だった。
やがて仕事にも慣れてアイラとも信頼関係を結ぶが、そのアイラの寿命は尽きかけていた。

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」(第2期)は制作会社が変わったせいか、わかりにくい展開になってしまった。
第三期を予定しているのであろうが、第二期と第三期を一つにまとめて欲しかった。

「長門有紀ちゃんの消失」は制作が京アニからサテライトに変わったせいか、それともスピンアウトの性格上かおもしろくなかった。
だた朝比奈みくる役の後藤邑子が元気で復活したのが幸いだった。

今季の飯テロアニメ「食戟のソーマ」だが、作画があまり上手くない。
連続2クールだが展開次第ではもう飽きられるだろう。

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