アイリスに彼女の地元カザリから出張代筆の注文が来た。依頼主は知らない人だ。アイリスは浮かれすぎて階段を踏み外して、手を負傷する。そこでヴァイオレットを助手としてアイリスに付いて行かせる。
列車に乗って駅に到着すると、アイリスの両親が出迎えに来ていた。実は母が亡くなった曽祖母の名を騙って、依頼をしたのだ。依頼の内容はアイリスの誕生日パーティーの招待状だった。明後日が誕生日なので、急いで書き上げて、直接投函しなければならない。
アイリスが配達先のリストを読むと、男性ばかりである。どうやら母親はアイリスが花形ドールというのは自分で言っているだけとわかっていて、早く地元で結婚させようという魂胆だ。
またアイリスはリストにエイモン・スノウという名があるのを見つける。彼女はヴァイオレットにエイモンにだけは出すなと命ずる。ヴァイオレットは、母親が真の依頼人だからアイリスにリストから削除する権利はないと答える。アイリスは私の代理なのだから私の従えと改めて命令する。
パーティー当日、途中からエイモンが姿を見せたのを見て、アイリスは半狂乱になり、パーティーは中止になった。母親がヴァイオレットにエイモンへの招待状を出してくれるように改めて頼んだからだ。
ヴァイオレットはアイリスになぜエイモンに出すなと命じたのか問い詰めた。アイリスは子供の頃からエイモンが好きだったが、卒業の折に告白したらごめんなさいをされたのだ。そのことを母は知らなかったので、エイモンを呼んでしまった。
アイリスは人の気持ちがわからないと罵る。ヴァイオレットは素直に謝ったので、アイリスも気が済んで自分のことを語り出す。彼女は振られたショックで文章を書くのが苦手に関わらず、ドールを目指したと言う。
それを聞いてヴァイオレットは愛してるは勇気を必要とする言葉だと気づく。
アイリスはヴァイオレットにパーティーの参加者全員と両親にお詫びの手紙を書いてもらう。
そしてヴァイオレットとアイリスは会社に戻る列車内で線路端にアイリスの花が咲いているのを見つける。花が綺麗に咲いた時期に生まれたから名付けられたとアイリスは教えてくれる。
ヴァイオレットも思い出す。少佐に初めてあった時にスミレが咲いていてそう名付けられたことを。
正直言って先が読める展開だったから、さほど感動しなかった。
吉田玲子の脚本が悪いのではなく、原作が悪いのだろう。
アイリスを主人公にするのは賛成だが、筋書きが陳腐だ。
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