今回の主人公はシズと陸、それにティー。
浜辺に行くと交易が行われていた。浮島の形をした「船の国」が物品を運び込んでいるそうだ。シズはそれを見て「船の国」に乗り別の大陸へ渡ろうと考える。船の国は「塔の民」が治めていて、シズに治安維持の仕事か民衆と同じ仕事か選ばせる。
民衆たちは船底で貧しい暮らしに身をやつしていた。彼らは基本的に歓待してくれたが、塔から監視役として案内人ティーと呼ばれる幼女が派遣されていた。寝室があてがわれて毎朝ティーが無言で様子を見に来る。そして船内を案内してくれる。
しかし5日も続くと流石に飽きてきた。仕事も与えられない。
そのとき船が大きく揺れた。異変を悟ったシズは浸水箇所にティーに連れていかれる。あおして設計図の貼ってある部屋に入れてもらった。何と143箇所も浸水しているという。この船はかつての技術を失い沈みゆく船だったのだ。
シズはついに塔へ殴り込みをかける。すると最初の刺客として出てきたのはキノだった。キノは一宿一飯の恩義を返すつもりだったのに、塔の民は二人が仲間だと知り、ともに排除しようとする。しかしキノに敵うべくもなく頂上に着くと長が次はお前の番だと言って、崩れて行く。彼らは人間ではなかった。
船を接岸させ民衆を上陸させようとしたが、彼らは陸でする仕事がないと船に戻って出発しようとする。ティーはシズから離れようとしなかったが、シズがみんなと行けと言うと急にナイフでシズの腹を刺した。
今回も示唆に富んだ話だった。船の国は韓国だと言う人もいたが、原発みたいな厄介者を持っている島なんだから日本だろう。島国から外に出て自分の身を自分で守るほうが安全なのに、島国を選択してしまう滅びゆく民族なんて、日本人にピタリだ。
島から除け者になり、外の世界で王子様シズと生きていくティー。きっと幸せになるだろう。